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【中京大中京】全国一の名門校の普通すぎる練習環境。必然的に磨かれた数と効率を意識した練習(後篇)

2017.2.28

どのコースのボールを打つかを想定して素振りを行う中京大中京野球部の選手達

全国屈指の名門でありながら、練習環境が決して恵まれているとは言えない中京大中京高校野球部。そんな中でも結果を残し続ける理由はどこにあるのか探るべく、2月の練習を取材した。今回はその後篇としてキャッチャーの守備練習を中心に紹介する。


◆目 次◆
効率的な捕手のセカンドスローイング練習
キャッチボールから実践を意識する捕手陣
数だけでなく質を追い求める中京大中京野球部

効率的な捕手のセカンドスローイング練習

前篇では投内連係を中心にテンポの速い守備練習の様子をお伝えしたが、その守備練習の際、もう一つ特徴的だったのが捕手のスローイング練習が兼ねられていたことだ。

一塁手か投手(途中から三塁手)がボールを受けると、ホームベースから少しずれた位置にいる捕手へ送球する。それを受けた捕手はセカンドへスローイングするということを繰り返していた。

これも練習効率を上げる工夫だと高橋監督は言う。

「別にあそこ(ホームベースからずれた位置)から投げる必要はないのですが、セカンドまでの距離は確保できます。少しでもキャッチャーのスローイングの練習をしたいと思ってこういう形になりました」

一塁ベース付近と三塁ベース付近をグラウンド整備している間にも空いているホームベースとセカンドを使って捕手はスローイングの練習を行う。

少しの時間でも有効に使おうというチームの姿勢がよくうかがえる光景だ。

キャッチボールから実践を意識する捕手陣

捕手の守備練習も他のチームに比べると多くてスピーディだ。外野ノックの間はバックネット付近でワンバウンド処理の練習。それが終わると30秒間計測してクイックで投げる練習を繰り返し行っていた。

強く正確なボールを投げるだけでなく、持ち替えのスピードをアップさせるために少し遊びの要素も入れて取り入れている練習だという。また、打者役の選手が打席に入りより実戦に近い形を意識するだけでなく、キャッチボールの時点から全員がプロテクターとレガース、マスクを装着していることからも、実戦を常に意識している姿勢をうかがうことができた。

効率的な練習を行っていた中京大中京野球部の捕手陣

数だけでなく質を追い求める中京大中京野球部

この日の練習の締めは全員揃っての素振り。これもただ振るだけでなく、全員がホームベースを置いてどのコースのボールを打つかを想定して行っていた。

素振りの数、投手が投げた球数、バッティング練習で投手がストライクを投げた率、ベースランニングのタイムなども定期的に測定しているそうだが、ただ数だけではなく質を上げる工夫がここでも見られた。

昨年秋の東海大会では9回ツーアウトからまさかの逆転サヨナラ負けを喫し、センバツ出場をあと一歩のところで逃している。

高橋監督は「あと一歩、何が足りなかったのかを選手と一緒に考えて練習しています」と語っていたが、限られた時間と環境でも効果を最大限に上げるための取り組みが随所に感じられる練習だった。

チームの目標は日本一。全国最多、12度目の甲子園制覇へ向けて今日もスピーディーで効率の良い練習が行われていることだろう。

(取材・文・撮影:西尾典文)

【中京大中京】全国一の名門校の普通すぎる練習環境。必然的に磨かれた数と効率を意識した練習(前篇)