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【BCリーグ】チャンスを掴んだ二人の19歳、目指すはさらにその先のステージ

2017.2.17

指名を勝ち取った吉川 竜太郎 投手と西瀧 雄大投手そして村山哲二BCリーグ代表

毎年多くの若者の挑戦を受け入れているBCリーグ。合格基準はただ一つ、「地域の子ども達のお手本となる選手」だという。

今シーズンから新規参入する栃木に指名された吉川竜太郎投手、西瀧雄大投手は高校を卒業して1年目の19歳。ともに高校卒業後は専門学校に進んでいたが、一念発起してトライアウトに挑戦。

吉川投手はブルペンでの投球テストでコンスタントに130km台中盤のスピードをマーク。鋭い腕の振りは受験者の中でも一際目立つ存在だった。西瀧投手は柔らかさが魅力のサウスポー。柔軟な下半身を生かしたフォームで球持ちが長く、スピード以上に打者が差し込まれるボールでアピールした。そんな将来性が魅力の二人にトライアウト後に話を聞いた。

吉川 竜太郎 投手 19歳(長崎南山高校出身)

吉川 竜太郎投手
吉川 竜太郎(よしかわ りゅうたろう)投手 19歳
徳島県出身 長崎南山高校 177cm72㎏ 右投両打

-専門学校の野球部を退部して挑戦したそうですがその理由は?
正直チームに合わなかったというのがあります。独立リーグのことはあまり知らなかったのですが、チームに四国でやっていた選手がいて考えるようになって、野球ができるのも若い間だけだと思って受けようと決めました。

-高校を卒業する時の進路はどうして決めたんですか?
高校時代は全く結果も残せなくて、自分で大学と専門学校のセレクションを受けました。最後は監督と相談して決めました。

-ブルペンではかなり目立っていましたが
本当ですか?自分では全く分からなかったです。後半にクイックで投げるように言われたと思うんですけど、完全に忘れてて普通に投げてしまって。言われたこともできなかったし、これはだめだと思っていました。

ブルペンでの吉川投手

-実戦テストはどうでしたか?
フォアボールだけは出さないようにと思って投げていましたが、正直手応えはなかったです。偶然打ちとったかなくらいだと思っていました。

-シーズンに向けて今後の抱負をお願いします
まずは長崎にいる友達や家族に喜んでもらえるような活躍をして、最終的にはやっぱりNPBに行きたいです。

西瀧 雄大投手(三田西陵高校出身)

西瀧 雄大投手
西瀧 雄大(にしたき ゆうた)投手 19歳
兵庫県出身 三田西陵高校 179cm72㎏ 左投左打

-高校から柔道整復師の専門学校に進んだのはなぜですか?
専門学校に野球部があると聞いて進学したのですが、入学して部がなくなってしまいました。スポーツトレーナーになりたいという気持ちもあって入学したのですが、やっぱりプレーしたいと思うようになり、自分で硬式のクラブチームを探してプレーしていました(KC西宮硬式野球クラブ)。

-そこからBCリーグに挑戦しようと思ったのはなぜですか?
同じチームでプレーしていた先輩のピッチャーの方に「お前、プロ目指さへんのか?」と言われて、それがきっかけで本気でやってみようと思いました。

-高校時代はプロを目指すような選手ではなかったですか?
高校時代は実績もなかったですし、エースという立場でもなかったので全く考えていませんでした。ただ自分としては中途半端だったという思いはありました。それでクラブチームの先輩に言われて、11月くらいから本気で特訓したという感じです。

ブルペンでの西瀧投手
ブルペンでの西瀧投手(奥)

-実戦テストでの手応えはどうでしたか?
打者が早く打ってくれて助かったというくらいで、緊張していて正直あまり覚えていません(笑)。自分でもよく分からなかったのですが、滋賀の監督の上園さん(元阪神など)にも声をかけていただいて、それで良かったのかなと思ったくらいです。

-最後に今後の意気込みをお願いします
結果を残してなんぼの世界だと思うので、しっかり結果を残してNPBに行けるようにがんばります。

今シーズン3月に高校を卒業してすぐにBCリーグ入りする選手は、11月に開催されたトライアウトを含めて11人にも上る。一昨年のドラフトでは田島洸成選手が高校卒1年目ながら巨人から育成4位で指名されており、若い年齢からドラフト対象となるのは選手にとって大きなメリットである。また、今回取り上げた吉川投手や西瀧投手のように、一度決めた進路が自分に合わなかったという選手にとっても非常に貴重なチャレンジの場と言えるだろう。
高校を卒業して野球を続ける道として大学ではなく独立リーグを選択する。そんな選手が今後増えてくることも十分に考えられるのではないだろうか。

最後に、『野球を通じて、地域の方々に夢と感動を与える』という理念を掲げる村山哲二代表に今回のトライアウトについて話を聞いた。

村山哲二BCリーグ代表
村山哲二BCリーグ代表

「2月のトライアウトは非常に重要だと思ってます。大学や社会人に内定が出ていたのに事情で進めなくなった、またチーム事情で退部を余儀なくされた、そういった選手達が挑戦できる最後の場だからです。今回は100人を超える選手がエントリーしてくれました。その挑戦を我々は真剣に受け止めて、9人という昨年(7人)を上回る数の指名をできたことを本当にうれしく思っています。この時期で寒い中でも高いパフォーマンスを見せてくれましたし、各球団良い補強ができました。これからも未来ある若者の挑戦、夢を受け入れられるリーグ、球団を目指していきます」

(取材・文・写真:西尾典文)

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