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【SPECIAL INTERVIEW】プロ野球選手のパフォーマンス術
鈴木大地選手(千葉ロッテマリーンズ/内野手)

2016.11.28

千葉ロッテマリーンズのキャプテンとして活躍する鈴木選手。いまではチームを代表する選手のひとりですが、高校時代は「甲子園を目指し必死だった」という、普通のいち高校球児だったと振り返ります。プロの世界で安定した成績を残し続けられる術を聞いてきました。


常に自分の状態を頭に入れながら そのときのベストを目指して練習する

走攻守の全てで安定したパフォーマンスを発揮する鈴木選手は、常に先をみて日々の練習に取り組んでいる。

準備の仕方を変えたら結果がついてきた

 プロに入ってから、考え方が変わったことがひとつあります。試合への取り組み方です。学生のときや、プロに入った直後までは、常に試合で100%のパフォーマンスをすることを考えてきました。試合前にはあくまでウォーミングアップとして準備に徹して、試合が終わったあとに、その日の活躍を忘れないように練習したりしていたんです。それが、いまでは、試合前でもしっかり練習に取り組むようになりました。試合後も、練習することが全くなくなったわけではありませんが、基本的には身体のケアにじっくり時間をかけるようになりましたね。そうすることで、次の日に疲れが残らなくなり、結果的に、次の日もいい状態で練習に取り組めて、試合でもいいパフォーマンスを出せるようになりました。成果は日々、感じるようなものではありませんが、シーズンを通していく中で感じられます。高校球児の皆さんは、毎日試合があるわけではないので、少し違うかもしれませんが、練習試合への取り組み方などは変えてみてもいいかもしれないですよ。

野球のプレーだけではない大切な日々の取り組み

 今年は、自分としてもシーズンへの入り方を特別に意識したシーズンでした。今年で27歳。もう若くないですし、長く野球をやるために、いろいろ変えなくてはいけないなと思っていたんです。高校生は特にそうだと思うんですけど、やっぱり野球のためだと考えると、打ったり、走ったり、守ったり、ということだけを考えてしまいがちです。もちろん、野球のプレーそのものをより上達させることも大事なんですけど、本当に大切なのは、それだけじゃないんですよね。
 僕が主に取り組んだのは、食事と野球をするためのベースとなる身体をしっかり作るためのトレーニングです。食生活においてはオフシーズンも体重管理をして、キレのある身体を維持すること。ウェイトも少し増やしてシーズン半ばでも体力が落ちないように意識して取り組みました。そのおかげか、春からいいスタートが切れたので良かったです。続けるコツは、自分の生活の中で、習慣にできるものから取り組むこと。そうすることで、長く続けられるものになると思います。

【栄養ひとくちMEMO】

Q:鈴木大地選手みたいに、安定したパフォーマンスを発揮するにはどうしたらいいでしょうか?

A:良い選手になるには、毎日の疲れを残さないようにすることが最も重要です。そのために、栄養の知識を学ぶのも良いでしょう。球児のみんなも疲れを残しにくい身体をこのオフで作っていきましょう。

Q:疲れが残りにくいコンディショニング法は具体的にどうすればいいでしょうか?

A:疲れの原因というのは運動中に体内のタンパク質が分解され、筋肉が消耗することで起こります。タンパク質の減少を防ぐには練習や試合の前に筋肉の元となるタンパク質の材料、アミノ酸を補給することで疲労した筋肉の回復を早めていきます。また、アミノ酸は摂り入れるタイミングが非常に重要で、練習や試合の直前または直後(運動後30分程度が目安)に摂取することで、より筋肉の疲労を抑えることができるのです。


鈴木大地選手[千葉ロッテマリーンズ/内野手]
1989年8月18日生まれ。静岡県出身。強豪・桐蔭学園高校で高校時代を過ごし、東洋大に進学。シュアな打撃と堅実な守備を武器にプロ入りを果たすと、プロ2年目となる2013年からレギュラーに定着し、翌14年には若くしてキャプテンに抜擢された。2年目からほぼ全試合に出場しながら、攻守に渡って安定した成績をマーク。いぶし銀の活躍を見せる、千葉ロッテに欠かせないチームの顔だ。




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